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金属アレルギー

金属アレルギーについて

口腔内の歯科金属などが原因でアレルギー疾患が起こる症例があります。
原因となっている金属をパッチテストによって特定し、撤去・交換する必要があります。

歯科金属が皮膚粘膜疾患の原因となることは、1928年に既にフライシュマンによって報告されていました。本邦では、その約40年後の1972年に中山秀夫先生が、歯の齲窩に詰めたアマルガム中の水銀による扁平苔癬を報告されましたが、歯科医の注意はひかなかったようです。筆者自身もそのような症例に遭遇したことはありませんでした。ところが、1980年代の初め頃、中山先生から歯科金属によるアレルギー疾患の症例を提示され、歯科医療に携わる者として早急に対策を講じる必要性を痛感しました。その後、歯科大学による全国規模の研究班を組織し、金属アレルギーの研究と臨床に組織的に取り組むことなり、今日に至っています。
 
   
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金属アレルギーの臨床

金属アレルギーでは口腔外に発症することが多く、接触皮膚炎掌蹠膿疱症異汗性湿疹扁平苔癬その他とされています。言うまでもなく、これらの疾患と類似の疾患や原因(例えば掌蹠膿疱症では口蓋扁桃や副鼻腔の慢性炎症、あるいは歯周炎などの病巣感染、また扁平苔癬ではカンジダ症やC型肝炎、など)との鑑別は極めて重要です。
 ピアス等の体表に接する金属製品や口腔内の金属がイオン化溶出して、体表のタンパクと結合し、完全抗原となり、ランゲルハンス細胞などの関与で感作が成立して、再度、同一金属と接触することで発症するとされていますが、機序の詳細は明らかではありません。
 
   
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金属アレルギーの検査法

患者への侵襲が比較的少なく、多種類のアレルゲンを同時に調べることができるパッチテストが多用されています。歯科で使われている金属や生活用品の中の金属などの20種類ほどの試薬が市販されています。専用の絆創膏上に試薬を滴下し、背部に2日間添付し、除去後の皮膚反応を2日後、3日後、さらに7日後にも判定します。金属アレルギーでは反応が遅れて出る場合が多く、3日までですと判定を誤るからです。この点は皮膚科やアレルギーの専門の先生方に特にお願いしたいと思います。  
   
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金属アレルギーの治療 -抗体除去両方-

疾患が皮膚科領域であれば掻痒などの対処療法がまず必要で、パッチテストなども含めて皮膚科医と歯科医の協力が極めて重要になります。歯科金属がアレルゲンではないかと疑われる場合、成人の口腔内には多数の詰め物や金属冠が装着されています。視診ではその組成金属の種類は判りません。それぞれからごく微量(約0.1mg)のサンプルを採取分析し、アレルゲンを含むものを特定し、それのみを撤去、交換します。歯科的な抗原除去療法です。大変手のかかる厄介な治療になりますので、パッチテストは確認テストを必ず行うようにして下さい。
 こうした治療の後、早い場合は2〜3ヶ月で快方に向かいますが、1〜2年を要することもあります。アレルゲン金属は分解されず、体内から排出されるのに時間を要するためだと考えられています。金属アレルギーの一次予防は現状では困難ですが、上皮下の組織に金属が直接接するピアスは避けるべきでしょう。二次予防は皮膚科医と歯科医の連携の下、アレルゲン金属が判明したときは、これを含有しない材料で歯科処置を行うべきです。
 
   
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